2016年7月15日金曜日

クイーンにまつわる書籍あれこれ

クイーンにまつわる書籍あれこれ

英国のロックバンド、クイーンにまつわる書籍のあれこれを書いておきます。
購入時の参考にしてください。


「クイーンの真実」
ピーター・ヒンス

クイーンのローディを長年勤めた著者による回想記。今年出た最新のクイーン関連書籍。
関係者の書いた本にありがちな展開で、バンドと関係ない個人的な思い出の記述や述懐が、中盤にゾロゾロと増えてくるのはマイナス点ですが、なかなか興味深い話が読めます。
中期のコンサートで、フレディがシャンパングラスを掲げて「乾杯」している映像をチラホラ目にしますが、あの中身は水(現地の水道で汲んでた)だとか、割りとどうでもいい話が読めるので、マニア向けです。 (7点/10点満点)

「クイーン 華麗なる世界」
フィル サトクリフ

写真を中心とした年代記。以前に洋書で出ていたものの完全な翻訳対応本です。
割りと記述内容は薄いけれど、何よりも写真が貴重なので、まあ持っていて損はないです。
全ページカラーなのに、4000円以内で購入出来るという点でもお買い得。濃いマニアにはちょっと物足りないかもしれませんが、そろそろ在庫が切れる頃なので、未入手の方は買っておきましょう。 (7点/10点満点)

「クイーン全詩集」
山本 安見

クイーンの歌詞を読んでいて面白いか? と尋ねられると返答に困りますね。よく笑い話として話題になる「バイスクルレース」のように、完全に意味のない歌詞の場合が多いので、読んでいても(別の意味で)「うーん」と感じ入ってしまいます。ただ、フレディのエイズ感染が決定的となり、己の死を意識し始めたあたりから、やや歌詞に重みが増してくるので、その辺りの後期の歌詞を読んでみるという点では、これはこれで意味のある書籍かなと思います。 まあこれはマニア向きです。
(6点/10点満点)

「ミュージック・ライフが見たクイーン」

過去の繁栄期を謳歌した音楽雑誌のアーカイヴシリーズ。この手のものは、各音楽出版社があれこれと出していますね。記事が70~80年代のものなので、記述内容にはあまり資料的な価値はありません。ただ、各社が独自取材で撮影した当時の写真など、その出版社の書籍でしか見られないあれこれの写真を、改めて1つにまとめて見られるという点では価値はあります。まああまりオススメはしませんが、ビジュアル的な資料として、懐に余裕がある人は買っておきましょう。
(5点/10点満点)

「クイーン ─ 全曲解説シリーズ」
マーティン パワー

ファースト・アルバムからポール・ロジャースとの活動までの全ての楽曲を網羅した解説本。
この手の書籍の楽しみ方としては、明らかな埋草、捨て曲についての記述を読んでみて、「うーん、苦しい説明だ」とか、「そんな解釈があったか!」などと駄目出ししたり、感心したりすることですね。読んでいてあまり新しい発見も無いですが、 整理用ということで、手元にあっても困ることは無いので、一応持っておきたい1冊です。
(6点/10点満点)

「レッド・スペシャル・メカニズム クイーンと世界をロックさせた手作りギターの物語」
ブライアン・メイ

数多くの伝説を生み、世界中のギターキッズに衝撃を与えた世界一有名な手作りギター。
英国から(当然英語版)この書籍が出版された時は驚いたけれど、その完全翻訳本が出た時jには、それ以上に驚いた。クイーンというバンド、どれだけ日本で人気があるんだよ?
ブライアン・メイ本人による詳細な解説と、多くの写真によって、これまで巷で語り継がれていたアレコレの噂の真偽にようやく決着を付けた一冊。
個人的にも「ゼロフレット仕様」「フレットは一度も交換されていない」「アームは完全フローティングでオクターブ下げてもピッチが狂わない」などなど、衝撃とも思えるほどの発見がありました。ちょいと価格が高いのと、レッドスペシャルの話は全体の前半部だけ、という不満はあるけれど、マニアは必ず買いましょう。
(9点/10点満点)

「大人のロック! 特別編集 永遠のクイーン (日経BPムック)」
日経エンタテインメント!

出してくれることを喜ぶべきか、それとも悲しむべきか。
まあ正直に言えば、70~80年代に独自の取材をしたわけでもない出版社が、この手の「一応、紹介しておくか」的なスタンスで出版するのは、あまり喜ばしいことではないと思います。
このシリーズが好きな人向きで、あまりマニアにはオススメしません。
(2点/10点満点)

「フレディ・マーキュリーと私」
ジム ハットン

評価の分かれる1冊。
フレディの最後の恋人による、2人の出会いからフレディの死までの回想記です。
作者自身にはゴシップ的な考えや、金儲け的な考えは無いのでしょう。読めば分かることですが、非常に我欲の少ない人です。ただ、なにぶん二人の関係がゲイの恋人同士ということで、そうしたものに理解のない人が読むと、結構キツイ部分がチラホラあります。バンド方面や音楽的な資料としては、ほとんど価値はありませんが、プライベートでのフレディという人物を知る上では、貴重な資料。中古市場で大量に見かけるので、やはり万人向けではないということなのでしょう。
(6点/10点満点)

「フレディ・マーキュリー~孤独な道化~」
レスリー・アン・ジョーンズ

フレディの伝記本としては決定版です。タイトルがまるでゴシップ本のようで、非常に損をしているのですが、内容は間違いないです。
関連する人物への膨大な量のインタビューから、フレディの出生からその死までを丹念に追いかけた1冊。フレディ・マーキュリーという人物を知るには、必須の1冊。
(9点/10点満点)

「フレディ・マーキュリーア・ライフ、イン・ヒズ・オウン・ワーズ」
グレッグ・ブルックス

過去のインタビューから、フレディの人生観や音楽観などをさぐった一冊。
非常に惜しいのは、それぞれの発言が、いつ頃の発言なのか?を正しく記述していないため、都合よく解釈しているのではないか?という疑いが、読後に残ってしまう点です。労作ではあるのですが、資料として読むには、やや注意が必要な1冊。
(6点/10点満点)


「ロックスターの英語」
アルク英語出版編集部

付録のMP3ファイルでブライアン・メイの肉声が聴けます。まあそれ以上でも、それ以下でも無いのですが、ブライアン・メイのファンは一応押さえておきましょう。
(5点/10点満点)


クイーン 果てしなき伝説
ジャッキー ガン

いわゆるオフィシャル本。嘘は書いてないけれど、ゴシップよりの話やヤバメの話は当然書かれていないし、噂やデマを正したりするような勢いも無いので、とにかく教科書的な活用しか使い道がない1冊。オフィシャルの史実としてどの時期に何があったか?を確認するためには必要なので、マニアとしては当然持っておくべき一冊だが、まあ正直、面白い本ではない。
(6点/10点満点)

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